2015年10月19日月曜日

保育園・学校での歯科健診と歯科医院での定期受診の違い

2か所の保育園の園医をしていますが
毎回、健診の際に確認してもらっていることがあります。

保育園での健診と歯科医院の定期受診は違う ということです。

保育園での健診は大人数を対象にしたスクリーニングが目的です。
一人にかける時間は1分から2分程度
そして膝に寝かせて
ある程度の明るさの照明を使用し
一時点での視診による診査です
その子の生活習慣や環境はわかりません
「限られた条件で見える範囲」の診査です。

歯の数 形 生え換わり 歯並び 粘膜 歯肉の炎症 歯石 清掃状態・・・
目で見てむし歯の穴が見えている場合
見た目の歯の色の変化で歯の間にむし歯がある可能性が極めて高い場合
表面の色や状態の変化でまだ穴になっていない初期むし歯の場合
を見分けていきます。
唾液や歯垢が多い時には見分けにくくなります
あくまでもむし歯が怪しい時には 
歯科医院で詳しく診てもらってください とお伝えします。

歯科医院の場合
当院では小児の定期受診は
内容によりますが30分から45分とっています
明るい照明を用いて視診で確認
口腔内写真を撮影
必要に応じてX線撮影
見えにくいところは清掃して確認
生活習慣や環境の変化を確認

前回までの資料と照らし合わせて変化がないか比較していきます。
 特にX線写真の変化
 口腔内写真の変化
 生活習慣と本人やご家族の意識の変化

初期むし歯を進行させないように相談します。
見つけたむし歯は治療しますが
詰める・根の治療・かぶせる治療は失った部分を回復させるためのリハビリにすぎません。
健康な自分の歯にはかないません
一番大事な治療は むし歯になりやすい環境をむし歯になりにくくすること
1回で相談しきれなければ 何回か相談しながら工夫していきます

乳歯でむし歯になってしまっても
永久歯でむし歯になりにくくしていけば
いつかむし歯のないお口になります。
生え変わったばかりの歯はまだ未熟でむし歯になりやすいです

お伝えしたことは歯科医院で行っていることの一部です

しかも大切なのは定期的に受診し 定期的に工夫を続けることです

お子さんの一生にかかわる健康な歯をプレゼントできる大切な時期です



2015年10月18日日曜日

歯科医師会の摂食・嚥下に関わる講習会

10月18日
歯科医師会主催の
摂食・嚥下に関わる講習会に参加しました
自治体の包括支援センター職員や
歯科医師会の歯科衛生士その他の職種の方
多くの方がいらっしゃいました

今回の講師は歯科医師と管理栄養士

健康で若い時には
何気なく食べて健康でいられますが
高齢や病気を抱えることで 
今までできていたことができなくなります
または 出来ていると思っていても
出来なかったり

安全に食事をすること
必要な栄養や水分を摂ること
そしておいしく楽しく食事をすること
等々・・・

むし歯や歯周病だけでなく
お口の機能を知る
介護される側・介護する側・
手間や経済的な工夫
取り入れられるサービスや工夫など
環境の改善・取り入れるリハ
様々な観点から
どう取り組んでいくか提示され
話し合いました

特に多職種と関わっていくのが大切な
介護現場です
歯科とは違うように思いがちですが
密接に関わっています

歯科医院は
寄り添い、長く関わりつづけて支援する役割です
受診している時から気づけて対応したり今後に備えること
また受診できなくなったあとの関わり

健康を守り育てること
お子さんは成長し
成人の方は高齢化していきます
高齢化にどう向き合っていくか
参加した多職種の方々からも
ヒントを多くもらいました



2015年10月12日月曜日

日本ヘルスケア歯科学会「臨床の振り返り」

10月11日・12日の連休
スタッフ全員と秋葉原で開催された 日本ヘルスケア歯科学会ミーティング2015に参加しました。
テーマは「臨床の振り返り」
当院では 定期的に お口の写真 X線写真 歯ぐきの状態の診査 生活や体調の変化 気が付いたことを記録していきます。とり続けている資料を基に振り返ることで見えてくることがあります。

 当院の歯科衛生士が「一症例を振り返る」のセッションで
「6年間の定期管理を振替える」と題して発表しました。
定期的に受診している患者さんの口腔内写真の歯ぐきの状態の変化・・・
6年間で17回記録した写真から丹念に振り返りました。

撮影した写真は
受診時に 診療椅子で
患者さんと歯科衛生士が一緒に
お口の変化と体調や習慣の変化について
確認していきます。
そして記録していきます

みがき癖が取れず、歯ぐきを傷つけてしまっている時期
一緒に工夫をしてみがき方が変化することで歯ぐきが良くなっていくこと
定期受診の間に入院して体調が変わり
糖尿病により歯ぐきにも症状が現れていること
加齢による変化
等 が写真に示されていました。

とても地道な作業ですが
撮影・記録した資料があること
振り返ることで見えてくることがあります
そのたびに患者さんと共有することで得られることがあります。

様々な資料を振り返り
資料の生かし方について
医院スタッフとも共有し
ヘルスケア歯科学会の他の医院の振り返りも見ながら
互いに学び医院を改善していく
よりよい体制を工夫していく

当院の開院以来参加している学会ですが
地道ながら改めて良い学会だと思いました。







2015年9月27日日曜日

医師会主催 介護と医療の講習会

9月27日
 東京都医師会主催の介護と医療の講習会に出席しました

今回は摂食・嚥下への取り組みがテーマ
急速に高齢化が進む日本・そして東京都において
どう取り組んでいくかは 現在とても重要な事柄です

今回のテーマ 摂食・嚥下について
東京都の取り組み
他の区や市の取り組みについて提示された後

医師・歯科医師・薬剤師・行政・包括支援センター・ケアマネージャー・訪問看護師等の多職種が
同じテーブルについて
提示された症例について多職種がどうかかわるか、
そして各自治体において工夫や改善が必要な点など
グループワークを行ないました。

現在、自治体や各職種は顔の見える関係・相談し合える関係を作ろうとしています
今まで乖離していた医療と介護の現場
問題解決には
多職種で状況を把握し話し合い寄り添い支援していく体制づくりが重要です。

 歯科医院でもスタッフ全員で共有し寄り添い支援することが大切ですが
今後さらに医院外の多職種とも共有し協力する体制が今後重要になってきます


2015年1月9日金曜日

認知症サポーター講習

1月9日
地元の包括支援センター職員の方に講師をお願いして
認知症サポーター講習をお願いしました。
 私たちは高齢者施設で口腔ケアに関わっています。
また、歯科医院に定期的に受診している方も
段々と齢を重ねていらっしゃいます。
 いつも定期的にいらっしゃることで私たちが気づけることもあります。
また、気持ちよく受診し続けていただくためにできることがあります。
 また、自分自身や家族の将来のためにも、
とても大切な事柄です。



2014年3月18日火曜日

緩和ケア 寄り添うこと

先週、連携病院の緩和ケア病棟・緩和ケアチームの講習会に出席してきました。
 緩和ケアとは、現在多くの場合はがん「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、身体的・心理的・社会的苦痛:つらさに焦点をあて、QOLを改善する、生活を支えるケア」のことだそうです。しかし、何を大切にしたいかは患者さん・家族ごとに異なります。
 
 かつてはホスピスの中で提供されてきたものが、在宅との連携に向かいつつあります。
地域に開かれ、地域を支え・地域に支えられる、多職種が関わるなど・・・

多くを考えさせられました。
 
 支えることは分野が異なるとも言えますが、患者さんと家族に寄り添うこと、多職種が関わり、QOLを改善し、在宅も含めてとは・・・ 学ぶことは多いです。
 今後の歯科医師・歯科衛生士が出来ることは何があるでしょう。これからの課題でもあります。

2014年3月13日木曜日

地域で支える食支援 講演会 


今日は(八南歯科医師会日野支部(日野市歯科医会)の歯科医療連携講演会
地域で行う食支援〜日野市における連携〜
 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック菊谷武先生の講演会に歯科衛生士4名と院長で出席してきました
 今回は歯科医師 歯科衛生士はもちろん 医師 看護師 ケアマネージャー 行政の方 介護職員 薬剤師など 様々な職種=多職種の人が集まりました。
摂食・嚥下障がいに対応するためには多職種の連携が欠かせません。菊谷先生の講演は、いつも興味深く、対象の方にわかりやすくエピソード的に全体を伝えるわかりやすいものでした。知識の整理はもちろん、多職種の人にいかに興味を持ってもらうか、いかにわかりやすい例を選ぶか しかも摂食・嚥下の奥の深さを垣間見せてくれるものでした。
 あっという間の2時間でした。院長は今回の準備・司会を含めた歯科医師会の事業でしたが、地域の人とつながること、摂食・嚥下の大切さをまた知ることができました。